アメリカ J-1ビザ解説

目次


1.概要 J-1ビザとは

J-1ビザとは交換交流プログラムの一環で米国へ渡米する方に向けたビザです。

アメリカでは近年働く事のできるビザを取るのが非常に厳しくなってきています。
それでも「アメリカで働いてみたい」という希望を持つ方はたくさんいます。

J-1ビザは比較的取得が容易で、短期間で取得できることもあって期間限定でインターンをしてみたい。という方に人気のビザです。

よく他国の「ワーキングホリデー」と似たビザ。という言われた方をしますがワーキングホリデーが「休暇」を目的としたものであるのに対してJ-1ビザは「仕事、インターンシップ」が目的のビザです。

またJ-1ビザではお給料をもらえるので、滞在費の足しにしながら生活ができるのも人気の一因となっています。

J-1ビザでの留学ははインターンシップ・仕事を主な滞在目的としているので、ビジネススキルの向上などに向いた留学の方法です。

2.J-1ビザの申請資格や年齢の目安

まずJ-1ビザは「トレーニー」と「インターン」という項目に分かれます。

「トレーニー」と「インターン」でそれぞれ申請資格や滞在期間などが異なります。
順に見て行きましょう。

トレーニーの場合

申請資格はアメリカ国外での実務経験が短大・大卒以上の方は1年以上、高卒の方は5年以上の実務経験が必要となります。
年齢制限はありませんが、受け入れ先の企業で研修を行う。という意味からも20~40代くらいの年齢層が中心です。
ビザの有効期限は18ヶ月となっています。
ただし研修分野が旅行・飲食・ホテル関連の事業の場合は12カ月となっています。

インターンの場合

インターンの申請資格は、アメリカ国外の現役短大生・大学生、または短大や大学の新卒1年目で社会経験がない30歳までの方が対象となっています。
J-1ビザの有効期限は業種に関係なく12カ月となっています。

3.J-1ビザ申請の条件

J-1ビザの申請にあたっては以下の条件があります。
1)主催者や教育機関による交流プログラムが認可されたものであること
2)J-1ビザ申請者が訪問交流者として主催者から承認されていること
3)主催者や教育機関がJ-1ビザの申請に必要な書類を発行していること
4)交流プログラムが人材・知識・技術の交流を目的としていること
5)交流プログラムが教育・科学・芸術の分野に関与していること
6)交流プログラム参加者が下記の中のいずれかの立場の方であること
  学生、研究生、教師、教授・研究者、医療分野の研修員、会議・視察、技能の普及および実演や人材交流を目的として訪問する方など

インターンシップを目的としたJ-1ビザ取得には以下の条件があります。
1)満18歳以上であること
2)インターンに参加できる英語力を有していること
3)インターンの受け入れ先企業が既に決まっていること
4)アメリカ留学をするために必要な資産を有していること

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4.J-1ビザ申請の流れ

1)インターンシップ先の企業探し、内定
 インターン先の企業から内定をもらうには、企業を探すことはもちろんですが面接やインタビューを受けて合格する必要があります。
 個人で探すのは難しいので代理店に依頼することになりますが、代理店に依頼してから内定が出るまで平均して1~2ヶ月の期間が必要です。

2)書類の収集・作成
 元も時間がかかる上に重要なのがJ-1ビザを許認可するスポンサー団体へのDS2019(滞在許可証)発行の申請です。
 このスポンサー団体への提出資料も準備する必要ががありますし、さらに。アメリカ大使館でのJ-1ビザ面接に必要な資料の収集・作成も必要です。
 この資料の中には大学や高校が発行する証明書も含まれます。
 大学や高校によりますが取り寄せるには証明書を請求して1~2週間程度の時間がかかります。
 全体として1ヶ月程度の準備期間が必要と思っておきましょう。

3)アメリカ大使館面接予約
 書類がそろったらスポンサー団体やアメリカ大使館での面接、インタビューです
 面接の予約は混んでいる場合には1~2ヶ月先の日時しか予約できない場合もあります。

4)大使館面接
 大使館でビザに関する面接を受けます。
 面接の結果は当日に判明しますので、何週間もドキドキしながら待つ必要はありません。
 ※J-1ビザ取得の面接では、ある程度聞かれることが限られています。
  代理店では模擬面接などのサービスがあって面接対策が出来る場合が多いので積極的に利用しましょう。

5)J-1ビザが発行
 面接から2~3週間後に郵送でパスポートが届きます。

6)渡米
 多くの方はプログラム開始の1週間くらい前に渡米して生活環境を整えます。

5.申請に必要な書類

J-1ビザ申請には以下の書類が必要になります。
手配会社や受け入れ会社と連携をとって、不足の無いように準備しましょう。
1つでも書類に不備があるとビザ申請が却下される恐れがあります。

1)オンライン申請書(DS-160)
2)大使館または領事館での面接予約書
3)米国滞在予定期間に加え最低6ヶ月間の有効期限が残っているパスポート
4)過去10年間に発行された有効期限切れのパスポート
5)6か月以内に撮影した証明写真(サイズ5cm×5cmを1枚)
 背景が白色のカラー写真で、メガネは外して写して下さい。
6)DS-2019(交流プログラム主催者が発行する許可書)
 ※プログラム開始前の1ヶ月前にDS-2019が届かない場合は該当書類なしで面接を受けることも可能です。
  その場合にはDS-2019が届き次第、在日米国大使館または領事館あてに郵送します。
7)残高証明書(アメリカ滞在中に必要となる資金の証明書類)
 ※銀行の残高証明や預金通帳の原本、保護者や支援者がいる場合は申請者との関係を証明する書類と支援者の資金を証明する書類。
8)インターン・研修生の場合は、DS-7002の写し(受入れ機関が作成する書類)
9)米国政府が支援する交流プログラム参加者以外の方は、SEVIS費用支払証明(レシートの写し)

6.よくある質問

J-1ビザで滞在できる期間は?

J-1ビザではプログラム期間開始の30日前から終了してから30日後までアメリカ国内に滞在することが認められます。

家族を連れて行けませんか?

可能です。
J-1ビザの取得者に帯同する配偶者および21歳未満の未婚の子供は、家族用Jビザ(J2ビザ)の申請が可能です。
ただし以下の条件があります。
配偶者や子供が家族用Jビザで渡米した場合、基本的にアメリカ国内での就労は許可されません。
配偶者や子供がアメリカで就労を希望する場合は、渡米後に米国移民局(USCIS)で就労許可申請書(I-765)提出して許可を得る必要があります。
配偶者や子供がアメリカ国内でJ-1ビザ保有者と同居をせず、休暇を過ごす目的のみで渡米する場合は家族用ビザ(J2ビザ)の対象とはなりません。
(アメリカでの長期滞在を目的とする場合は、B2ビザの申請をご検討ください。)

J-1ビザの取得にはどれくらいの期間がかかりますか?

一般的に2~3ヶ月といわれていますが、順調に働く企業が見つかった場合です。
最近の傾向としてアメリカ大使館でのビザ面接の審査や質問項目が厳格化されていたり、ビザ面接後に追加書類の提出が必要なケースが増えています。
確実にアメリカに入国してインターンシッププログラムに参加するには、インターン先企業を見つける時間を含め、最低でも渡米希望時期の半年前から準備を始めと良いでしょう。

J-1ビザを延長できますか?

できません。
18ヶ月、または12ヶ月で終了となります。

どんな分野で働けますか?

代表的な分野は以下の通りです。
・会計事務所
・法律事務所
・保険会社
・メーカー
・商社
・出版
・メディア
・不動産
・旅行
・ホテル
・コンサルティング
・IT
・飲食
・流通
・ウェブマーケティング

J-1ビザを取りにくい職種はありますか?

飲食店、販売員、ハウスキーピングといった職種ではJ-1ビザを取る事は難しい状況です。

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