アメリカ 学生ビザ徹底解説
アメリカに留学をする場合に、ほとんどの方が学生ビザを使って留学をします。
アメリカの学生ビザにはいくつか種類がありますが、ほとんどの場合はF-1というビザです。
(専門技術を学ぶ場合にはM-1というビザもあります。
これは美容、ダンス、音楽、デザインなどの学校に通う場合です)
語学学校に通う、高校や大学に通う。という場合にはF-1ビザの申請が必要です。
このページではほとんどの方が申請するF-1ビザについてみていきます。
目次
- 1.ビザの有効期間とアメリカに滞在できる期間
- 2.留学期間が短い場合は学生ビザ?観光ビザ?
- 3.必要書類
- 4.I-20と学生ビザとの違い
- 5.I-20の期間は終了したけど学生ビザの期間は残ってます
- 6.入国審査
- 7.よくある質問
1.ビザの有効期間とアメリカに滞在できる期間
学生ビザは留学期間に合わせて6か月から5年の期間で発行されます。
発行されるまでの期間は米国大使館の審査次第なので発行されてみないとわかりません。
ビザ発行後は、入学許可書(I-20)記載の開始日30日前からアメリカに入国することができます。
また入学許可書(I-20) 記載の最終日から60日まで滞在が可能です。
(最終日から60日の期間をグレースピリオドと呼びます)
2.留学期間が短い場合は学生ビザ?観光ビザ?
よく「2週間しか行かないのでビザはいりませんよね?」「3ヶ月までなら観光扱いになるから観光ビザで入国して学校に通えると聞きました」というお問合せを頂きます。
このへん、割と誤解している方も多いのではっきりとしておきましょう。
3ヶ月までは観光ビザで渡航が可能
ご存知かもしれませんが、アメリカに渡航する場合3ヶ月(90日)以内の渡航であればビザの申請は必要なく、渡航前にESTA(渡航許可)の申請だけでOKです。
「じゃぁ3ヶ月までの留学ならビザの申請いらないんだ!」と思われた方、ちょっと待ってください。
観光ビザはあくまで"観光"ビザ。観光が主な目的の場合に使用するものです。
つまり観光ではなく勉強に比重が置かれてるな。という渡航の場合には学生ビザが必要になります。
では観光と勉強、どっちが目的なのかを何を基準にして判断するか。
「学校で授業を受ける時間数」が基準になります。
では、次に学校の授業時間数を見て行きましょう。
週に18時間以上の授業かどうか
アメリカの場合、たとえ1週間の留学でも週に18時間以上の授業を受講する場合には学生ビザが必要です。
では、週に18時間。というとどんなカリキュラムになるでしょうか。
毎日9時くらいから学校に行って、昼前には授業が終わって午後はフリータイム。という感じのスケジュールです。
「英語の勉強をしに行くにしては授業が少ないな」というスケジュールですね。
一般的な語学学校ですと午後3時や午後4時まで授業があります。
こうなると「勉強をしに来てるな」という印象ですよね。
このように授業が週に18時間未満かそれ以上かによって学生ビザが必要かどうかが決まります。
(週に18時間未満の授業を受ける場合には90日までなら観光ビザ(ETASの申請のみ)で留学が可能です。
3.必要書類
1)パスポート
学校に通う期間+6ヶ月の期間が残っている必要があります。
よく確認して、更新が必要な場合には更新しておきましょう。
パスポートを持っていない場合には、まずはパスポートを取得することからはじめましょう。
2)過去10年間のパスポート
お手元にあればアメリカ大使館に提出する必要がありますので準備しておきましょう。
3)残高証明書
銀行に英文の残高証明書を発行してもらいます。
口座の額はアメリカドルで表記してもらいましょう。
残高証明書には期限があって、学生ビザの面接日から遡って3ヶ月以内のものである必要があります。
ビザ申請のスケジュールを立てて、適切な時期に残高証明書を手に入れられるようにしましょう。
銀行によって残高証明が発行されるまでの期間が異なりますので、あらかじめご自分が依頼する銀行に「発行までにどのくらいの時間がかかるか」を聞いておき間翔。
4)入学許可証(I-20)
学校に申込をして、費用の支払いを完了すると入学許可証(I-20)が発行されます。
学校によって発行から送付までにかかる時間が異なります。
余裕を持って入手できるようにしましょう。
5)証明写真
サイズが5cm×5cmで背景が白。カラーの証明写真が必要です。
必ず6ヶ月以内に撮影したものを準備します。
なお眼鏡をかけた状態での写真はNGとなっています。
眼鏡を外して撮影しましょう。
6)DS-160(ビザ申請書)
オンラインで作成します。
質問に回答する形で申請をしていくんですが、けっこうな時間がかかります。
自分でやろうとしたけど半日でギブアップして業者に任せた。という方もたくさんいます。
学校を手配してくれた留学代理店に任せてしまったほうが楽でしょう。
7)申請料金領収書
上記のビザ申請では最後にビザ申請料金を支払います。
その際に領収書が印刷できるようになりますので必ず印刷しておきましょう。
アメリカ大使館での面接に必要です。
8)面接予約確認ページ
上記のビザ申請を行い、申請料金を支払うとアメリカ大使館での面接予約が出来るようになります。
面接を希望する日時を決定して申し込むと「面接予約確認ページ」が印刷できるようになります。
アメリカ大使館での面接に必要ですので印刷しておきましょう。
9)SEVIS費用領収書
I-20に記載されている「SEVIS ID」を元にSEVIS費用を支払って領収書を印刷しておきます。
4.I-20と学生ビザとの違い
I-20は学生ビザ申請に必要な書類で学生ビザ(F-1)ではありません。
I-20というのは、アメリカ政府が認定した教育機関がその生徒に発行する入学許可証です。
I-20には勉強する学科(カテゴリー)、そのコースと期間が記載されています。
この入学許可書(I-20) があってはじめて、学生ビザを米国大使館に申請できます。
ちなみに学生ビザが取得できたので、それだけあればアメリカに入国できる。と思われがちですがI-20は空港の入国審査の時にビザと一緒に入国審査官に提出する必要があります。
忘れずに手荷物で持っていくようにしましょう。
5.I-20の期間は終了したけど学生ビザの期間は残ってます
この項目は「よくある質問」の中の1つとして書こうかな。と思ったんですがとても重要なことですし、勘違いをしている人が毎年いるのでここで強調しておきます。
「I-20(入学許可証)の期間は終わっちゃったけど学生ビザは有効なんでアメリカに滞在し続けてます。」という方がいます。
これは要注意です。
I-20と学生ビザの期間が違うなんてことが起こるの?
I-20=学生ビザの期間の期間じゃないの?と思われがちですが実際には両者の期間は違うのが普通です。
たとえば
I-20の期間は1年、学生ビザの期間は5年。といったように期間が異なります。
話を戻しましょう。
I-20の期間が切れてI-20の最終日から60日以上アメリカに滞在している場合、仮に学生ビザの有効期間内だとしても違法滞在になってしまいます。
既に書きましたがI-20の最終日から60日間はグレースピリオドと呼ばれ合法的に滞在が可能です。
この期間にアメリカから出国する、または他校へ転校する、そのどちらかの選択をせずに60日以上滞在すると違法滞在です。
学校に延長の申し出をしてI-20を延長してもらうことも可能です。
(延長が可能かどうかは学校によって異なります。必ず学校に確認しましょう。)
では逆の場合はどうなるでしょう。
"逆"というのは、学生ビザ(F-1)の期限は切れてしまった。でもI-20は有効なんだよね。という場合です。
「学生ビザが切れたんだから違法滞在でしょ?」となりそうですが、この場合にはI-20が有効であればアメリカに合法的に滞在することができます。
ただし、この状態でアメリカから出ると次にアメリカに入国する際には新しいビザを取るかビザの延長手続きが必要です。
学生ビザ(F-1ビザ)を持っている留学生にとって最も重要なのは"有効なI-20を保持し続ける。"ということです。
I-20の期間は常に確認して、期限後の計画をしっかりと立てておきましょう。
6.入国審査
1)飛行機到着から審査まで
飛行機が着陸したら入国審査へ向かいます。
アメリカ合衆国国民と外国人にレーンが分かれています。
外国人レーン(NonーUS Citizens)のレーンに並びましょう。
2)入国審査
ビザが添付されたパスポートとI-20を入国審査官に提出します。
入国審査官に質問される代表的な質問は以下の通りです。
・入国の目的
・お金をいくら持っているのか
・どれくらい滞在するのか
・どこに住むのか
問題がなければ入国審査はすぐに終わります。
審査官に問題がある、と判断されたり書類に不備があるとさらにチェックされることになります。
別の部屋に案内されたりして、入国に時間がかかってしまいますので必ず書類に不備がないかチェックをしてから出発しましょう。
3)荷物受け取り
4)滞在先に向かいます
空港お出迎えのサービスを申し込んでる場合には待ち合わせ場所でドライバーと合流します。
滞在先までドライバーが案内します。
7.よくある質問
いつからアメリカに入国できますか?
I-20に記載されている開始日の30日前からアメリカに入国可能です。
しっかりと計画を立てて早めにビザを取得すれば、早めに渡航して街の様子を見たりすることも出来ます。
早めに計画を立てるようにしましょう。
いつまでにアメリカを出ないといけませんか?
学生ビザをお持ちの場合には、「出国準備」としてI-20に記載されている終了日から60日間まで合法的に滞在が可能です。
I-20の終了日から計算して60日目までにはアメリカを出国するようにしましょう。
60日間のグレースピリオドは必ずもらえますか?
必ず60日のグレースピリオドがもらえるとは限りません。
グレースピリオドをもらうには以下のような条件があります。
1)出席率を満たしている事
80%以上の出席率をキープしましょう。
出席率が悪いと退学処分になることがあります。
その場合にはグレースピリオドはもらえず、すぐに出国しないといけません。
2)プログラムを修了すること
出席をきちんとして、プログラム期間修了まで授業を受けた。
でも成績がFailだった。という場合には「プログラムを修了」したことにはなりません。
またプログラムを途中で止めてしまった場合もプログラム修了とはなりません。
例えば24週間のプログラムを申し込んだとします。
20週目にほかの学校へ転校したとします。
この場合転校はできますが、プログラム自体は20週で退学してしまっているので修了はしていません。
このような場合にはグレースピリオドの60日間をもらうことはできず、15日間だけ合法で滞在可能です。
この15日の間にアメリカを出国するか転校手続きをした学校ですぐにプログラムを始める必要があります。
バイトしていいですか?
絶対にやめましょう。
就労などの不法行為が判明した場合アメリカへの入国が制限されます。
不法行為をしている間=不法滞在として判断されます。
不法滞在の日数をカウントしてその日数によってアメリカに入国できない期間が決定します。
以前は、不法行為が分かっても最終的に裁判所で決定が出た時点から不法滞在としてカウントされていました。
が2018年からは裁判所の判断ではなく移民局が不法行為として判断した日から不法滞在としてカウントされることになりました。
たとえば、不法就労を6か月してたとします。
摘発されたか日から不法滞在としてカウントされるわけではありません。
移民局が「こいつは6か月前から不法行為を行っていたな」と判断したら6か月さかのぼってカウントされます。
6ヶ月(180日)の不法滞在があったとされれば3年~10年はアメリカに入国できません。
1年以上の不法滞在があったと判断された場合には、2度とアメリカには入国できなくなります。
将来的にアメリカへの入国がとても厳しくなるのでバイトはやめましょう。